アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

特集 地域や風土のすがたを見直す、芸術の最前線

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#72
2019.05

コミュニティの、その先へ

2 神奈川・鎌倉のNPOとコミュニティ

鎌倉のコミュニティの成熟度を底上げしてきたのは、他でもないNPO(民間非営利団体)だ。鎌倉には、まちの規模がそれほど大きくないにもかかわらず、数多くのNPOが存在している。
1998年には、NPO法(特定非営利活動促進法)の施行より一足早く、日本初の公設市民運営NPO センター「鎌倉市市民活動センター」が開設された過去があるなど、その歴史は長い。

今回、取材に回っている間も、市民活動が活発であることを自負する鎌倉市民に多く出会った。
確かな裏付けを得ることはできなかったが、「鎌倉市は対人口比で日本一NPOの数が多いらしい」という話も、取材中、何度か耳にした。

鎌倉のNPOの人々の話を伺っていると、「身近な仲間同士と小さく楽しく遊んでいたら、それが結果的にまちづくりやコミュニティづくりになっていた」という声が多い。小さく楽しく遊ぶことが、まちづくりやコミュニティづくりになる。それは、最も自然体で等身大な、まちの集合知と呼べるのではないか。

今月号では、鎌倉の集合知としてのNPOから、「コミュニティづくりのフォーマット」を探してみたい。

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鎌倉のまちには、暮らしに密着した魅力的な店が本当に多い。多くの店が徒歩圏内で回れる距離にあり、店同士、お客さん同士の仲もいい。NPOの多さは、店の多さ、つまりひとが出会う場の多さも大いに影響しているように感じられる

鎌倉のまちには、暮らしに密着した魅力的な店が本当に多い。多くの店が徒歩圏内で回れる距離にあり、店同士、お客さん同士の仲もいい。NPOの多さは、店の多さ、つまりひとが出会う場の多さも大いに影響しているように感じられる