アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

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読書案内*文庫クセジュ

白水社から刊行されている「文庫クセジュ」シリーズをご存知ですか。これは、100年近い歴史をもつフランスの出版社ピュフ(Presses universitaires de France 略して PUF)による Que sais-je ? シリーズの翻訳です。「Que sais-je ?(クセジュ?)」とは、直訳すれば「わたしは何を知っているのか?」という意味。知への問いかけを標榜しながら、一般のひとにも理解しやすいようなかたちで専門的な知識を解説しており、50弱の言語に翻訳され世界中で読まれています。哲学や文学、心理学と精神分析学、美術史、社会学、宗教、科学などさまざまな分野の著作があります。
Que sais-je ? シリーズのウェブサイト https://www.quesaisje.com/
PUFのウェブサイト https://www.puf.com/

日本語訳のラインナップは、白水社のウェブサイトで確認することができます。ウェブサイト内の検索窓に「クセジュ」と入力してください。
白水社ウェブサイト https://www.hakusuisha.co.jp/

シリーズのなかから、ふたつのタイトルを紹介したいと思います。まずは、カロル・タロン=ユゴン『美学への手引き』(上村博訳、https://www.hakusuisha.co.jp/book/b210728.html)です。「美学」という学問分野の成立の前史から現在の展開までを辿り、さらにはこれからの美学の在り方を問う著作になっています。美学という学問がどういったものなのか知りたい方、あるいは、昨今よく耳にするような20世紀から21世紀の美学や芸術思想の背景となる学問的な流れを知りたい方にもおすすめです。もうひとつは、歴史的な網羅性という点では引けを取りますが、20世紀フランスの状況を丹念に描いたドミニク・ラバテ『二十世紀フランス小説』(三ツ堀広一郎訳、https://www.hakusuisha.co.jp/book/b207396.html)です。歴史的背景を踏まえつつ、当時のフランス文学の潮流とその企図を浮き彫りにしています。多くの作家や作品の名前が挙げられるので、好きな作家の文学史的な位置づけを知りたい方や、この時代の小説を読んでみたいけれど自分の好みに合いそうな作家、作品が分からない方にもおすすめです。