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アネモメトリ -風の手帖-

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読書案内*アンドレ・ブルトン(André Breton, 1896-1966)

9月28日は、フランスの詩人、作家であるアンドレ・ブルトンの命日です。ノルマンディー地方のティシュブレという街で生まれ、パリやニューヨークで活動、さいごはパリで歿しました。現在は、パリ17区のバティニョル墓地に眠っています。

シュルレアリスムの創始者であるかれの代表作といえば、やはり『シュルレアリスム宣言』。この本をはじめとして、日本語で読むことのできるブルトンの作品やブルトン研究はたくさんあります。そのほんの一部をご紹介します。

○『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』巖谷國士訳、岩波文庫、1992年(原書は1924年)。
シュルレアリスム運動の発端となった書です。「シュルレアリスムとは口頭、記述、その他あらゆる手段で思考の真の過程を表現しようとする純粋な心的オートマティスムである」という定義は、ここではじめて示されました。

○『シュルレアリスムと絵画』粟津則雄、巖谷國士ほか訳、人文書院、1997年(原書は1965年)。
ブルトンは1928年にも同じタイトルの本を著していますが、邦訳は1965年の増補改訂新版に基づくものです。シュルレアリスムという大きな運動を先導したブルトンの視点を通して、20世紀半ばまでの芸術が語られます。

○アンリ・ベアール『アンドレ・ブルトン伝』塚原史、谷昌親訳、思潮社、1997年(原書は1990年)。
500頁におよぶ浩瀚な伝記です。内容はもちろんのこと、年表や文献表も充実しているので学習に役立ちます。