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「退廃芸術」展と「大ドイツ芸術」展

1937年7月19日、ナチス支配下のミュンヘンで「退廃芸術」展が開幕しました。ナチスは、その文化政策のひとつとして、表現主義やダダといった近代芸術の作品を国内の美術館から押収し、文化の退廃を招く芸術とみなして弾圧の対象としました。ナチスは、押収した作品の一部を用いて「退廃芸術」展を開催し、ひとびとに向けて「退廃芸術」の「劣悪さ」を示そうとしたのです。この展覧会は、構成を変えながら1941年までドイツやオーストリアの各地を巡回することとなりました。
ナチスが高い評価を与えたのは、古典主義的な芸術でした。「退廃芸術」展のいっぽうで、ナチスは古典主義的で写実的な作品を集めた「大ドイツ芸術」展も開催しています。この展覧会は1944年まで続けられました。

参考
関楠生『ヒトラーと退廃芸術 「退廃芸術展」と「大ドイツ芸術展」』河出書房新社、1992年。
-退廃芸術 現代美術用語辞典ver.2.0 (アートスケープ)
http://artscape.jp/artword/index.php/%E9%80%80%E5%BB%83%E8%8A%B8%E8%A1%93
-ナチス芸術 現代美術用語辞典ver.2.0 (アートスケープ)
http://artscape.jp/artword/index.php/%E3%83%8A%E3%83%81%E3%82%B9%E8%8A%B8%E8%A1%93
(アートスケープトップページ http://artscape.jp/index.html)
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