たとえば、とつぜん映画館のないまちで暮らすことになったとして。
都市に住まい、ミニシアターにもシネコンにも行ける身からすると、途方に暮れてしまいそうだ。実際に映画館に足を運ぶ回数の問題ではなく、観たいと思えばそこにある、ということが大きいのだと思う。
今回は、まちの映画館、本屋、飲食店にフォーカスする鳥取県・湯梨浜町編の最終回。個人経営の映画館「ジグシアター(jig theater)」を取り上げる。この映画館ができる以前、鳥取県にはミニシアターがなかった。全国で小規模の映画館が次々と消えていくなかで、このように小さな映画館をつくる動きも生まれている。
映画館を人口1万6千人のまちにつくろうと思ったのはなぜだろうか。また、それをどのように持続しているのだろうか。
この映画館は、廃校となった小学校を利活用した建物に入っていて、湖を見おろす、眺めの良い場所にある。前回取り上げたカフェ「HAKUSEN」は湖に浮かぶようにあって、初回に取り上げた本屋「汽水空港」からも湖がみえる。湯梨浜町の個性的な店や場所のうちで、一番新しくできたのがジグシアターだ。





柴田修兵
愛媛県に生まれ、幼少期から各地を転々としたのちに大阪へ。2015年に濱口竜介の映画『ハッピーアワー』に鵜飼役で出演。ジグシアターでは主に作品の選定、上映業務、受付を担当。
三宅優子
大阪生まれ。金沢の美大でデザインを学ぶ。ジグシアターでは主に広報・デザイン・作品の選定を担当。
1)まちの小さな映画館
2)居心地の悪くない場所を 嫌なことはしない
3)ジグ=治具 映画を下支えする構造として
4)プレイベント『ハッピーアワー』
5)月1企画の上映 誰からも搾取しない、無理のないスタイルで
6)戸惑いを案内する
7)個人店としての映画館 観客とともに変化する
8)時を経て、再び観るということ


