アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

特集 地域や風土のすがたを見直す、芸術の最前線

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2013.03

おもてなしの精神で広がるまち 神山

後編 ビジネスとのつながりの先に見えた、まちの未来
5)神山塾、次世代をになう人材育成としての場
神山塾が発行している神山塾新聞。三期生の最終号ではメンバーの卒塾後の抱負などが書かれていた

神山塾が発行している神山塾新聞。三期生の最終号ではメンバーの卒塾後の抱負などが書かれていた

森づくりの活動に参加しているようす

森づくりの活動に参加しているようす

神山塾の入塾式には、グリーンバレーとまちのひとたちも同席する

神山塾の入塾式には、グリーンバレーとまちのひとたちも同席する

アーティストから企業家たちまでもが交差する神山町。まちが多様な機能を担う「場」として成長していくに伴い、「人材育成」という側面でも展開していく。2009年、厚生労働省より「求職者支援訓練」の認定を受けた事業として、立ち上がったのが「神山塾」。イベントプランナー・コーディネーターの養成を目的とするものだ。20代から40代までを対象に、6ヵ月間神山でホームステイしながらさまざまな活動をしていく、2013年2月現在、4期生が活動中。その模様は「イン神山」にてしっかりと彼ら自身によって日々の活動がレポートされている。

神山塾が掲げる目標のひとつとして「自己を知り、地域を知り、自分のルーツ(故郷、親兄弟、友人、先生など)を誇りに感じ、地域に共感できる人材を育成すること」がある。広い意味での地域で活躍する人材を育てること。神山という土地はあくまでひとつのモデルであり、塾生たちはイベントの企画や進行などを通じて、地域のひとたちと関わりながら物事を進めていく方法を身につけ、地元NPOほか各々の活動へ旅立っていく。

とはいえ、もちろん神山での就労の例も多く、移住への近道であり移住のお試し版といった役割も十分に果たしている。現在、NPO法人グリーンバレーの広報/サテライトオフィス担当、またとくしまサテライトオフィスプロモーションチームの一員としても勤務する樋泉聡子さんは神山塾2期生だった。樋泉さんは、東京で大手企業で勤めていたが、疲弊してしまうだけではないような別の働き方を求めて模索していたときに出会ったウェブサイトを見て神山へ。新しい仲間と知り合えたことは貴重な体験だったという。「地域側に来たことで、家族や友人達を迎えることができる楽しみを知りました。神山をはじめ日本の地域の原石のような素晴らしさを都市部の人にも体験してほしい。」と話す。

3期生として2012年に塾を卒業した河合亜美さんは、大学院で文化政策を学び、主に図書館学を研究。卒業後に神山へ。現在、神山でのレジデンスのサポートをしながら神山住まいを継続中。「神山での物事の運び方や作られ方がとても勉強になりました。図書館とひととのつながりを考えていけたら」と話していた。都市部を知っているひとからは田舎での気持ちのよい働き方として、地方からの塾生にはとても元気で活動的なNPOとして見えてくるのではないだろうか。