1)唯一無二の存在感 中原木材
萩の中心市街地から少し離れた中津江地区。山際の道を進んでいくと、葡萄の蔓に覆われた大きなトタン張りの建物が現れる。周囲からひときわ異彩を放つ錆色の建物が「中原木材」だ。
建物の中へ足を踏み入れると、そこが普通の家具工場でないことが一目でわかる。太い梁の下には大きな一枚板が並び、古い木工機械のそばには望遠鏡や船の舵が置かれている。壁は古材や石で組まれ、頭上には階段が吊られている。向かいの工房には革を縫うための工業用ミシンがあり、椅子の張り地やクッション材が積まれている。
木、鉄、革、石、古い機械や拾われてきたもの。異なる来歴をもつものが集まったその空間は、SF映画のセットのようだ。一見カオスでありながら不思議な秩序があり、無造作に置かれた椅子や机も、風景の一部として馴染んでいる。独特な存在感がある。
決して便利とは言えない立地なのに、ここにはさまざまな人がやってきては出会うという。この場所をつくった中原忠弦(ちゅうげん)さんと、伴走してきた妻の知美さんに話を聞いた。






