4)メキシコから 村の文化や歴史を掘り起こす
アンドレス・カマチョ1
メキシコ中部の高原地帯にあたるケレタロ州出身のアンドレス・カマチョさん。彼の経歴はとてもユニークだ。メキシコの大学に進み、文学と哲学を専攻していた在学中、20歳のときに交換留学でドイツに1年間滞在。さらに、サッカー選手としてアイスランドにも行き、1年間サッカーをしながら勉強していた。
「文学に関わる仕事に就きたいけれど難しそうだ」と感じたことから、大学卒業後はメキシコで日本文学の書籍を中心にしたブックカフェのオーナーになった。子どもの頃に日本のアニメをきっかけに日本文化や日本文学に強い関心を持っていたのだ。
でも、大好きな文学を仕事にしたい思いが強くなり、カフェを売却し、得たお金でスペインのムルシア大学の大学院へ。人文学全般を学ぶ。さらに、同じくスペインのコルドバ大学の大学院で、現代日本文学や武士、大衆文化について研究した。
そんなアクティブな彼が、どのように東吉野村にたどりついたのか。日本への思いを募らせたアンドレスさんは、日本青年国際交流機構が主催する世界青年の船(SEY)のメンバーに選ばれ、2018年1月からついに日本へ来ることができた。

アンドレス・カマチョさん
アンドレス:その年の10月に再び日本に来ました。SEYで知り合った日本人女性と付き合い始めて、のちに妻になるのですが、当時彼女は大阪に住んでいたんです。「東吉野村に友達おって、ちょっと会いに行けへん?」と誘われて、初めて東吉野村に遊びに来ました。
そのとき、幕末の尊王攘夷派「天誅組」が壊滅した終焉の地だと知って、村への興味が出始めました。僕は日本と言えば、三島由紀夫とか日本文学のイメージが強かったので、広く知られてはいない歴史もおもしろいなと思って。11月にも12月にも村に来て、遊んだり、メキシコの雑誌に書く記事を考えたりして過ごしました。
その後、2020年に日本に来た際にコロナ禍でメキシコに帰れなくなり、日本に1年間ほど滞在しました。そのとき友人から、東吉野村で地域おこし協力隊を募集していて外国人の僕でもなれると聞いたんです。20代のときからずっと大学院で研究したり論文を書いたりして、ゆくゆくは大学の講師になるのかなと思っていたけど、それを聞いて「村に移住したらおもしろい」って思いました。
講師という手堅い道よりも、自分が「おもしろい」と感じたほうに舵を切る人生に、心が躍ったのだろう。アンドレスさんは2021年4月に結婚し、12月に東吉野村で地域おこし協力隊に着任した。はじめは妻が住む大阪と東吉野村との2拠点生活をしていたが、2023年からは二人共東吉野村に暮らしている。


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