鎌倉のコミュニティの成熟度を底上げしてきたのは、他でもないNPO(民間非営利団体)だ。鎌倉には、まちの規模がそれほど大きくないにもかかわらず、数多くのNPOが存在している。
1998年には、NPO法(特定非営利活動促進法)の施行より一足早く、日本初の公設市民運営NPO センター「鎌倉市市民活動センター」が開設された過去があるなど、その歴史は長い。
今回、取材に回っている間も、市民活動が活発であることを自負する鎌倉市民に多く出会った。
確かな裏付けを得ることはできなかったが、「鎌倉市は対人口比で日本一NPOの数が多いらしい」という話も、取材中、何度か耳にした。
鎌倉のNPOの人々の話を伺っていると、「身近な仲間同士と小さく楽しく遊んでいたら、それが結果的にまちづくりやコミュニティづくりになっていた」という声が多い。小さく楽しく遊ぶことが、まちづくりやコミュニティづくりになる。それは、最も自然体で等身大な、まちの集合知と呼べるのではないか。
今月号では、鎌倉の集合知としてのNPOから、「コミュニティづくりのフォーマット」を探してみたい。