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アネモメトリ -風の手帖-

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#159

The Birthplace of KARATE
― 沖縄県豊見城市

2021年に開催予定の東京オリンピックでは、追加種目として「空手」が実施されます。
そんな空手は琉球王国で誕生しました。
明治以降、本土に紹介され、昭和初期には著名な空手家がハワイなどで指導を行うなど世界中に広まっていきました。
全日本空手道連盟の2018年の資料によると、空手の愛好者は世界中に1億3000万人以上おり、世界空手連盟には194の国と地域が競技団体として加盟しているそうです(1)。
沖縄では、空手の発祥の地ということを広く発信するため、様々な取り組みがなされています。
1997年には「沖縄の空手・古武術」の保持者として「沖縄県指定無形文化財 保持者」に3名の方が指定されました。
2005年、沖縄県議会は1025日を「空手の日」として定めました。空手の日近くには空手に関するイベントが行われています。
20161023日には那覇市の国際通りで3979人が空手の集団演武を行いギネス新記録を樹立しました(2)。
2017年には「沖縄空手を独自の文化として保存・継承・発展させるため、 『空手発祥の地・沖縄』を国内外に発信し、空手の真髄を学ぶ拠点として豊見城市に「沖縄空手会館」が開館しました。
2020年の空手の日は、新型コロナウイルスの影響で、人が集まるイベントは行われませんでしたが、沖縄空手会館では無形文化財保持者が奉納演武を行い、それに続く記念演武では沖縄県内、日本国内の代表者とともにオーストラリア、ロシアの道場からも代表者が参加し、演武を行いました。この様子はYouTubeで発信されました(3)。
最後に「沖縄空手会館」をご紹介します(4)。
沖縄空手会館には道場、鍛錬室、研修室の他に、別棟で特別道場「守禮之館(しゅれいのやかた)」があります。高段者の昇段試験や空手の日などの演武などで利用される赤瓦屋根、板張りの壁面でできた道場です
資料室には空手の歴史の資料展示やシアターなどのほかに、空手の鍛錬を楽しく体験できるコーナーなどが併設されています。
沖縄空手会館は空手発祥の地「沖縄」を発信する拠点として活用されていくことでしょう。

(儀間真勝)

(1)
空手のルールと競技人口 全日本空手道連盟
https://www.jkf.ne.jp/wp-content/themes/jkf-tfif-child/document/other/for_media_document.pdf

(2)
沖縄で空手のギネス新記録 3973人が集団演武 沖縄タイムス
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/67855

(3)
沖縄空手イベント YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC176Q7L3JfTmYBzDDPk2UhA

(4)
沖縄空手会館
http://karatekaikan.jp/

特別道場(守禮しゅれい之の館やかた)

特別道場(守禮しゅれい之の館やかた)

JTA(日本トランスオーシャン航空)の特別デザイン機「空手ジェット」 (空手会館展示模型) JTAのHP https://jta-okinawa.com/painted_airplane/%E7%A9%BA%E6%89%8Bjet/

JTA(日本トランスオーシャン航空)の特別デザイン機「空手ジェット」(空手会館展示模型)
JTAのHP
https://jta-okinawa.com/painted_airplane/%E7%A9%BA%E6%89%8Bjet/

世界中から空手会館を訪れた方々の寄せ書きで作られた「空手の樹」

世界中から空手会館を訪れた方々の寄せ書きで作られた「空手の樹」