アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

特集 地域や風土のすがたを見直す、芸術の最前線

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#136
2024.09

食文化を次代につなぐ 女性たちの、生きる知恵

2 津軽あかつきの会 「かっちゃ」の台所 青森県弘前市(津軽地方)

津軽に古くから伝わる固有の家庭料理をつなぐ「津軽あかつきの会」(以下、あかつきの会)を取り上げる第2回。時代の流れによって途絶えかけていたレシピを掘り起こし、つくり、伝え残すその活動は20年を超える。会員の顔ぶれはみな女性で、そうして今日までつないだ料理は、いまでは毎週定期的に開かれている食事会で振る舞われる。収益を得ることを目的とせず、ひたむきに料理することを目的として集まインディペンデントにあり続けるあかつきの会。前回はそれらの根幹を築いた会長の工藤良子さんを取り上げ、話を聞いた。

あかつきの会は「ばっちゃ」「かっちゃ」「あっちゃ」で構成されている。これは津軽弁の言い方で、それぞれ「おばあさん」「お母さん」「お姉さん」のことを指し、「ばっちゃ」は会の大きな方針を決め、ときに調理しながら見守るようなかたちで会に関わる。そして実際に台所を稼働させる「かっちゃ」はいわば会の背骨であり、会の半数以上は彼女たち。台所を切り盛りしながら、自分たちが教わったようにその調理法と味を、まだ修行中の「あっちゃ」に伝えていく。あかつきの会を3回にわたって紹介するこの第2回では、前回のばっちゃ・工藤さんに続いて、「かっちゃ」に焦点を当てる。

私たちが取材に伺ったのは日曜日の朝。あかつきの会が開く食事会の仕込み時間に、実際にかっちゃたちが働くその台所を見せてもらった。

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