福岡県筑後市にあるMEIJIKANというホテルをご紹介します。
MEIJIKANはJR羽犬塚駅(筑後市)の前にあります。
地域内外の人たちの新しい交流の場をつくることを目指し、100年続いた宿泊施設「明治館」を大幅にリノベーションし、2017年にリニューアルオープンしました。
1階が本屋とカフェスペース、2階がギャラリー、3・4階がホテルとなっています。
ホテルには数タイプの部屋があり、「アーティストルーム」と名付けられた4部屋には、九州在住の4人のアーティストが筑後市に滞在し、同市をテーマに制作された大掛かりな作品が展示されています。
作品は地域の伝統産業である久留米絣を素材にしていたり、地域の風景や史跡などをテーマに制作されています。アーティストはリノベーションの設計段階から深く関わりながら展示プランを実現させたとのことです。客室の照明やカーテンや湯呑に至るまで各アーティストの作品や意向が反映されています。
4代目であるオーナーで、このリノベーションを決断された徳永幸治さんは、幼少期より家業の旅館をみてこられました。知らない人が、知らない場所から、様々な理由でやって来て宿泊する。次の日にはその人は宿を去り、また別の人が宿泊する。そのような日常の中で育った徳永さんが、地域内外の人たちの交流の拠点として、このような場をつくられたのは自然なことなのかもしれません。
2019年には、アーティスト・イン・レジデンス事業も始められました。通常、レジデンスの最後には成果としての展覧会が義務付けられていることが多いのですが、このプログラムは、成果展がレジデンスの約4カ月後と設定されています。滞在するアーティストは、滞在期間中、アウトプットを意識した作品制作ではなく、気持ち的な余裕をもって制作活動にのぞむことができるでしょう。
徳永さんは料理もご専門で、1階のカフェスペースではランチも提供されています。近くには高校もあり、高校生の利用も増えているとのことです。
一駅先には、九州芸文館という美術施設もあります。旅行を手放しに楽しめない時期ではありますが、落ち着いたら、是非足を運んでみてはいかがでしょう。
(牛島光太郎)
九州芸文館
http://www.kyushu-geibun.jp/
![MEIJIKANの外観](https://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/wp-content/uploads/2020/09/1.jpg)
MEIJIKANの外観
![4階のアーティストルーム(アーティスト / 瀬戸口朗子)](https://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/wp-content/uploads/2020/09/2.jpg)
4階のアーティストルーム(アーティスト / 瀬戸口朗子)
![1階のブックカフェ](https://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/wp-content/uploads/2020/09/3.jpg)
1階のブックカフェ
![ランチ](https://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/wp-content/uploads/2020/09/4.jpg)
ランチ
![ランチ(デザート)](https://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/wp-content/uploads/2020/09/5.jpg)
ランチ(デザート)