「箕面市立多文化交流センター」は、大阪府箕面市の閑静な住宅にあります。図書館や「comm cafe(コムカフェ)」というカフェも併設され、様々な国の文化や芸術、料理、言語、に触れることができるイベントやワークショップが定期的に開催されています。

箕面市多文化交流センター。箕面市立図書館も入っています

箕面市多文化交流センターに入っている「comm cafe(コムカフェ)」。ワンデイシェフ・システムという、プロではない人たちが、登録制でランチやカフェメニューを提供する運営システムを採用。国際色豊かな箕面市の特性を活かし、様々な外国人市民が母国の「食」を提供しています
箕面市立多文化交流センターの岩城あすか館長は、一般にイメージされる館長ではありません。カフェで提供する食材の買い出しに行き、厨房に立っているかと思えば、近隣の学生と語り合ったり、時には京都大学等でパネリストをしたり、市長と討論をするなど、様々な場で活躍されています。必要と思ったことをすぐに行動するバイタリティは、多くの人々を惹きつけています。
自然な形で人種や国などの境界を越えて、交流できる施設を作りながら、地域共生社会の実現へ向けて実践しているのが岩城館長です。

「箕面市立市民ギャラリー チカノバ」。カフェコーナー(イベントスペース)とギャラリーは併設されています。ドリンク類などはテイクアウトをして、カフェ兼ギャラリーでゆっくりと楽しむことができます

チカノバで、笑顔で働く岩城館長です。館長のうしろに見えているスペースも展示やイベントに利用できます
以前、このコーナーのNo.256でも取り上げた、2024年3月に延伸した北大阪急行線の箕面阪大前駅。駅の地下3階、南改札口を出てすぐにあるのが、comm cafeの2号店であるカフェ兼イベントスペース・「箕面市立市民ギャラリー チカノバ」です。
チカノバでは地下鉄駅構内の立地を生かし、通勤帰りの日本人や外国人などに向けた外国語や日本語のレッスンや、各国の民族料理を提供するカフェコーナーやギャラリーがあります。
岩城館長は次世代を支える、元気な若者の活動を支援したいという気持ちから「ワカノバ」も企画しています。ワカノバでは10代と20代の若者を対象に格安でチカノバのギャラリーを利用できます。箕面阪大前駅に併設という絶好の立地にあるギャラリーで、作品や演奏等の発表ができる貴重な機会です(20代までなら、京都芸術大学の学生さんも利用できます)。
箕面市立多文化交流センターは、多文化共生を社会の隅々に行き渡らせるしくみを模索しながら、20年間にわたり活動を続けています。岩城館長は、「世界に通じる『どこでもドア』をつくりたい」とおっしゃいます。
comm cafeやチカノバで展示に触れ、カフェで一息つけば、どこでもドアに手を伸ばすように、きっと新たな世界へ繋がる一歩となるでしょう。
comm cafe(コムカフェ)
(文化教室等を含む)
大阪府箕面市小野原西 5 –2–36
箕面市立多文化交流センター1F
箕面市立市民ギャラリー チカノバ
(ギャラリー・ワカノバ等を含む)
大阪府箕面市船場東3–7–35
箕面船場阪大前駅地下3階南改札口すぐ
※岩城あすかさんの肩書きは「公益財団法人 箕面市国際交流協会 事務局次長兼総務課長」「箕面市多文化交流センター指定管理者」です。日頃から「館長」と呼ばれていますので今回は、岩城館長と表記させていただきました。
※チカノバ、ワカノバでの作品展示(個展等)や演奏等は事前に内容を相談してください。公共の場のため、公序良俗に関わる展示やパフォーマンス等はお断りすることもあるそうです。
(中野聡史)


