アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

特集 地域や風土のすがたを見直す、芸術の最前線

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#131
2024.04

山と芸術 未来にわたす「ものがたり」

3 不定形で、伝えつづける 坂本大三郎の生きかた 山形県西川町

山伏でアーティストの坂本大三郎さんを特集する最終回。
坂本さんは月山の麓に暮らしつつ、日本のみならず、世界各地で山の文化を調査し、芸術祭などにも参加している。これまでの活動や、経済をどう成り立たせているかは#129#130をご一読ください。

坂本さんの活動は多岐にわたる。山伏やアートにとどまらず、本の執筆、山で採ったものの製品化、空間づくりなど、など。その芯にあるのは、山で育まれてきた文化を見いだし、いかにそれを現代につなぐか、ということだ。そして、何をするにしても、坂本さんは決して大きな声をあげることなく、どこかひょうひょうとしている。その捉えどころのなさが坂本さんの大きな魅力でもある。
その一方で、山の文化をつなぐ難しさも実感している。身近な地域で、文化の途絶を目のあたりにすることもある。それらをどう受けとめ、どのようにふるまおうとしているのだろうか。
自身の足下にある文化を、地域のありかたを見つめ、未来につないでいこうとする坂本さんの奮闘と、それを可能にする「楽でいられる生き方」について、聞いていきたい。

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坂本大三郎(さかもと・だいさぶろう)
千葉県生まれ。自然と人の関わりの中で生まれた芸術や芸能の発生、民間信仰、生活技術に関心を持ち東北を拠点に活動している。著書に『山伏と僕』(リトルモア・2012)、『山伏ノート』(技術評論社・2013)、『山の神々 』(株式会社 エイアンドエフ・2019)等。芸術家として、山形ビエンナーレ(2014、2016)、瀬戸内国際芸術祭(2016)、札幌モエレ沼公園ガラスのピラミッドギャラリー『ホーリーマウンテンズ展』(2016)、石巻リボーンアート・フェスティバル(2020、2022)、奥大和MINDTRAIL(2021)、ドクメンタ15(ドイツ、2022)等に参加。