NPO法人SOMA（以下、SOMA）と代表の瀬戸昌宣（まさのり）さんの活動を取り上げる全３回の２回目となる。
SOMAが目指しているのは、人を育てるのではなく「人が育つ環境をととのえる」こと。独自の学びの機会と環境を生みだしている。その立ち位置は「現代の杣人（そまびと）」だ。１本１本の木を守り、森林を生かしてきた先人のように、「一人一人の『わたし』に寄り添い、その育ちを邪魔することなく、社会を見て、未来を見て、必要十分な手をいれていく」存在。本質的な学びを手探りで実現しようとしている。
前回は瀬戸さんの高校での授業に同行した。「観察力育成講座」と題して、自分なりの観察を行い、言葉で表現することを実践を通して伝える、ユニークな内容だった。
そして今回は、SOMAが現在、全力で取り組んでいる「山結び」という活動にフォーカスする。拠点を置く福岡県福津市で、まちのシンボルでもある宮地山の生態系の再生を、子どもや大人とともに進めていこうという試みだ。
人と山、人と人、山と山。それらを結んでいくための取り組みは、地道に、すこやかに育まれている。８月の暑い日に「山結びスペシャルツアー」に参加した。
