生活すれば、ゴミが出る。「ゴミをどうするか問題」は、縄文時代にすでに食べ残しや不用品が集められていた貝塚にも見られるように、いつも暮らしと隣り合わせに存在してきた。大量生産、大量消費の時代を経て、ゴミは最も身近でありながら、地球規模で取り組むべき喫緊の課題になったまま、解決されていない。国連は2015年のサミットでSDGs(持続可能な生活目標)を採択し、12番目の目標に「つくる責任、つかう責任」を掲げて、無駄なく環境に優しい生産消費を全世界によびかけた。脱炭素、循環型の社会を目指し、ゴミの量を減らす(Reduce)、繰り返し使う(Reuse)、資源として活かす(Recycle)、断る(Refuse)、いわゆる「4R」の実践もまだ一部にとどまっている感がある。
ゴミは生活の一部、ならばもっと身近なところにゴミを減らすヒントがあるのではないだろうか? 今回の特集では、地球規模から自分サイズへと視点を戻し、好きなことや興味のあること、日々のルーティンのなかで、楽しくゴミと向き合うアクションを起こしている人々や団体を取材した。
今号では、ゴミ拾いにスポーツの持つエンターテインメント性をプラスした新しい競技「スポGOMI」をとりあげる。2008年の第1回大会以来、国内外の自治体や学校、企業など多くの場所で開催され幅広い層の人々が参加している。一体スポGOMIとはどんな競技なのだろう。
紹介文には「どこでも開催、だれでも参加できるスポーツを通した地域貢献活動」とあるが、これまで行われてきた地域の清掃活動とどのように違うのだろう。2023年2月、神奈川県葉山一色海岸で地元の小学生の授業として行われた大会を取材し、日本スポGOMI連盟代表の馬見塚健一さんにお話を伺った。