アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

特集 地域や風土のすがたを見直す、芸術の最前線

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#107
2022.04

子どもが育つ、大人も育つ

5 子どもと大人と、みんなで学び合うために 京都市・にわにわ(後編)

子どもを育てる「場」をたずねて、取材してきたこの特集も今回で最終回となる。
本特集では、特にアーティストや企画者など、表現にかかわる人々の取り組みに着目し、3つの現場を紹介してきた。福岡市「いふくまち保育園」と「ごしょがだに保育園」(#100#101)から始まり、次が秋田県五城目町のギャラリー「ものかたり」(#105)、そして3つ目が、京都市の「にわにわ」だ。
「にわにわ」は、子どもも大人もみなが互いに学び合う場をつくりたいと考えた美術家の小山田徹さんによって、2021年春にひらかれた。日々の生活や身の回りの自然に目を向けられる機会をつくり、「好奇心」を芽生えさせ、子どもたちの可能性を広げたい。そこに周囲の大人も巻き込んでいけるような場にしたい、と小山田さんは言う。
前号では、にわにわの活動内容や、小山田さんがにわにわをつくることになった経緯などについて紹介した。今号では、さらにその背景を掘り下げる。小山田さんはなぜ、これまで数々の場をつくってきたのか。このような場を作る意味や可能性とは。そしてそのなかで、大人はどうあるべきなのか。そうした点から、「子どもが育つ、大人も育つ」社会のあり方について考えたい。

小山田徹さん

小山田徹さん