この特集では、子どもを育てる「場」たずねて、取材してきた。アーティストや企画者など、表現にかかわる人々の取り組みに着目し、ここまで、福岡市「いふくまち保育園」と「ごしょがだに保育園」(#100、#101)、秋田県五城目町「ものかたり」(#105)を取り上げた。
最後となる3つ目の場所は京都市の「にわにわ」である。この場を始めたのは小山田徹さんだ。美術家で京都市立芸術大学の教員である小山田さんは、40年以上にわたって数々の「場」を開いてきた。コミュニティスペースやカフェなど、その形はさまざまだが、一貫しているのは、参加する人たちが対等な関係を持って、共同してつくっていく場にするということである。
その小山田さんが、子ども、そしてそのそばにいる大人たちも含めて、みなが互いに学び合う場をつくろうと、2021年春に開いた場が「にわにわ」である。日々の生活や身の回りの自然のなかから「好奇心」を芽生えさせ、子どもたちの可能性を広げたい、と小山田さんは言う。そのために彼がつくった新たな場はどのようなものなのだろうか。2号にわたって、取り組みを紹介する。
空を描く