アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

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文化芸術関連サイト紹介3

アートは、ひとを救うことができるでしょうか。これはあまりに大きな問いで、すぐに答えのでるようなものではありません。しかし、アートがひとのこころに訴えかけ、良い変化を生みだすことがあるという事実は、否定し得ないように思われます。今回は、病院で闘病生活を送るひとたちに笑顔になってもらうことを目的に、アートを通した活動を展開する団体のウェブサイトをいくつか紹介したいと思います。どうしても友人や知人とのあいだに距離ができてしまい孤立しがちな入院生活のなかで、アートはどのように存在し、どのような意味をもち得るのでしょうか。

-キッズアートプロジェクト
http://kidsartproject.jp/

2012年に聖マリアンナ医科大学病院をもとに発足したNPO団体で、長期入院する子どもたちを対象に活動しています。アートの作成を通じて、闘病生活を送る子どもたちどうしの交流の場を提供し、楽しい入院生活を送る手助けをすることが目的です。「イベント紹介」のページで紹介されているワークショップでは同じ病院に入院している子どもたちのつながりを築くことが念頭に置かれていますが、団体の活動全体としては、全国で治療に向き合う子どもたちとその家族が相互に交流するきっかけをつくることを目指しています。その部分はまだ模索段階のようですが、子どもたちの作品をウェブ上で公開し、励ましあえる環境をつくろうとしています。

-Wonder Art Production
http://wonderartproduction.com/

この団体の活動のうち、Hospital Art LabとHappy Doll Projectが入院中の患者さんを相手とした活動です。毎年継続的に開催されているHappy Doll Projectは、患者さんやお医者さん、病院職員がそれぞれ“ハッピードール”を制作し、展示する企画です。ハッピードールは、はじめにワークショップをおこなった病院で展示されたあと、つぎにワークショップをおこなう病院でも展示され、全国を巡回します。キッズアートプロジェクト同様、直接顔を合わせることはないものの、ともに病気と向き合うひとたちのひろい輪をつくることで患者さんのストレスを軽減させるよう取り組んでいます。

-Foundation For Hospital Art
http://www.hospitalart.org/index.php/

病院にアートをもち込むプロジェクトは、海外でもさかんにおこなわれています。この団体は、みんなでカンバスに色を塗り、病院内に展示する一連の流れをPaint Festというイベントとしてパッケージ化しています。キットを作成し、ハウツーを伝えることで世界中どこでもそのイベントを開催できるようにしたのです。塗り絵のような制作は自由度が低いようにも思われますが、作業の手順が単純で簡単であるゆえに、筆をもつことさえできれば誰にでも参加できるという利点があります。高齢者や身体に障害を抱えるひとたちにも気軽にアートを楽しむ機会を提供することに成功していると言えるでしょう。
このような試みは、以上のような非営利団体だけでなく病院内でも企画され、運営されています。病院のウェブサイト上に概要が示されていることもありますので、参考にしてみてください。また、治療と向き合うひとびとのこころを支えるのにはアートだけではなく、音楽も用いられています(http://www.music-in-hospitals.org.uk/index.html)。

(井岡詩子)