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アネモメトリ -風の手帖-

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#13

山と朝食
― 新潟県十日町市

「山で食べる朝ごはんはサイコーダヨネ!」という話。それでは、山に登らない者はそれを味わうことができないのでしょうか。アウトドアグッズを機能性に憧れて身に着けてきたものの、火おこしや虫が苦手なインドア派。趣味はNHK杯テレビ将棋トーナメントの観戦と温泉。そんな善男善女のみなさんへ。今回は、山に登らずとも味わうことができる「山で食べる最高の朝ごはん」をご紹介します。
大河ドラマで人気沸騰中の長野県の松代(まつしろ)ではなく、大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ(次回は2018年開催予定)の開催エリアのひとつ、新潟県の松代(まつだい)は、山深い丘陵地帯。訪れた季節は夏、野に花咲き誇る素朴な村の風景、美しい棚田を鏡に宿る夜の月、濃密な雲海を眺めつつ浸かる温泉、そこには言葉では言い尽くせない美しい里山とアートが待っていました。滞在中の宿は「山ノ家 カフェ&ドミトリー」です。そこで出会った忘れられない朝のひとときがあります。
山にいるとなぜか早起きをしてしまいます。空気がヒンヤリと冷たくて気持ちのいい朝。目覚ましがてら朝の散歩に出かけてみました。山ノ家から歩いて10分ほどで、松代の総合文化施設《まつだい「農舞台」》が見えてきます。草間彌生の《花咲ける妻有》に朝の挨拶をしてのんびりと過ごしていると、ちょうどお腹がすいてきて、そろそろ朝ごはんの時間です。
山ノ家の食卓に並ぶのは紫蘇香る冷汁、ジューシィな小エビのだし巻きたまごなど。地場産の野菜たっぷりの朝ごはんは、里山の素材と都会の洗練を感じさせる忘れられない味でした。とにかくどれもこれもおいしいのです。里山で元気に育ったしっかり甘いお米に、忘れられないのは妻有ポークのやわらかさ。こんなに心に残るのはなぜなのでしょう?
これが「山ノ家で食べる最高の朝ごはん」。「朝ごはんを食べに松代に行く」、そんな旅もいいのではないでしょうか。もちろんアートもごいっしょにどうぞ。

山ノ家 カフェ&ドミトリー
〒942-1526 新潟県十日町市松代3467−5
https://www.facebook.com/YamanoieCafeandDormitory

(山貝征典)

地元の民家をリノベーションした山ノ家カフェ&ドミトリーは、里山と都会とが交流する場所。ワークショップやライブが不定期で開催されている。

地元の民家をリノベーションした山ノ家カフェ&ドミトリーは、里山と都会とが交流する場所。ワークショップやライブが不定期に開催されています。

早朝、朝靄につつまれる松代の山並みと夏の爛々とした日差しを浴びる草間彌生《花咲ける妻有》。美しい朝。

早朝、朝靄につつまれる松代の山並みと、夏の爛々とした日差しを浴びる草間彌生《花咲ける妻有》。美しい朝。

カフェで新聞を読みながら朝食を待つ時間。台所からいい匂いがしてきてお腹がぐーと鳴る。最高の朝食への準備は万端。

カフェで新聞を読みながら朝食を待つ時間。台所からいい匂いがしてきてお腹がぐーと鳴ります。最高の朝食への準備は万端。