アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

特集 地域や風土のすがたを見直す、芸術の最前線

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#37
2016.01

生きやすい世界をつくるためのアート

後編 「しくみ」づくりと「ネオ民藝」運動

前編に引きつづき、芸術家の松井利夫さんを取り上げる。
松井さんはユニークな発想にもとづき、エネルギッシュに行動をつづけるひとだ。前編でも見てきたように、“面白おかしく”型破りな人生を送りながら、陶芸作品やオブジェ、インスタレーションなど多様な制作を試みてきた。
近年では豊かな幅広さはそのままに、松井さんはよりストレートに、アクチュアルに変わってきたように思う。直接のきっかけは東日本大震災だろう。震災以降、いくつかのプロジェクトを立ち上げてきたが、それらを見ていると、真摯な姿勢とともに、一本の芯が浮かび上がってくるようでもある。
キーワードはいくつかあるが、そのひとつが「小さな差異より共通性を」ということばだ。松井さんは何を眼差し、どこに向かっているのだろうか。
数々のプロジェクトを紹介しながら、松井さんの今とこれからを追っていきたい。

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IMG_8136松井利夫(まつい・としお)
芸術家、京都造形芸術大学教授。1955年生まれ。京都市立芸術大学陶磁器専攻科修了後、イタリア政府給費留学生として国立ファエンツァ陶芸高等教育研究所に留学。エトルリアのブッケロの研究を行う。帰国後、沖縄のパナリ焼、西アフリカの土器、縄文期の陶胎漆器の研究や再現を通して芸術の始源の研究を行う。第40回ファエンツァ国際陶芸コンクールグランプリ受賞。第1回ALCOA国際コンクール第2位。第14回カルージュ国際陶芸ビエンナーレARIANA大賞受賞。第17回ミラノ・トリエンナーレ招待。第3回、5回京畿道世界陶磁ビエンナーレ招待。著作に『芸術環境を育てるために』(共著、角川学芸出版2010)、『失われた身体を求めて』(共著、角川書店、1999年)、『陶 vol.47松井利夫』(京都書院、1992年)など。