最新の研究成果に触れようとするとき、まとまったかたちで刊行された本を頼りにするのも重要ですが、学会誌や大学紀要に掲載された論文や博士論文を参照することも有用です。自分の関心にあった国内の論文を探すには、国立情報学研究所の論文検索サイトCiNii（http://ci.nii.ac.jp/）でキーワード検索をすることができますが、論文がインターネット上で公開されていない場合、身近な図書館の蔵書にない学会誌の論文へアクセスするのは少し困難になります。アクセスしやすく、インターネット上で公開されている論文だけを参照するのは良くないことですが、研究の導入として、すぐに入手できるものを早い段階で確認しておくと、その後の調べものや研究に役立つのではないでしょうか。今回は、大学が提供するリポジトリを紹介します。
-東京大学学術機関リポジトリ UTokyo Repository
http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/
東京大学で受理された学位論文や大学の各研究科の紀要などを閲覧することができます。美術史、文学、美学、芸術学関連だと、「大学院人文社会系研究科・文学部」あるいは「大学院総合文化研究科・教養学部」あたりが参考になるでしょう。そのほか、東京大学の研究室に基盤のある科学研究費成果報告書なども公開されています。

-京都大学学術情報リポジトリ KURENAI紅
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/
こちらは京都大学のリポジトリで、公開されているものの種類は東京大学とほとんど同じです。研究科の紀要等を閲覧する場合は、「文学研究科・文学部」あるいは「人間・環境学研究科・総合人間学部」を見てみるのが良いでしょう。

-東京藝術大学リポジトリ
https://geidai.repo.nii.ac.jp/
ここでは、東京藝術大学に提出された博士論文が公開されています。
ほかにも大学が提供するリポジトリはたくさんあります。今後も少しずつ紹介していきますが、ぜひみなさんも探してみてください。