沖縄県は人口当たり全国一の海外移民を送り出している県で、その子孫が世界に40万人以上います。
沖縄の言葉で「沖縄人」をあらわす「ウチナーンチュ」。5年に1度、世界中からウチナーンチュが沖縄に集うのが「世界のウチナーンチュ大会」です。
第6回の今年は海外から7000人以上の人々を迎え、10月27日から30日まで開催されました。
大会理念に「海外における沖縄アイデンティティーは、主に県人会などの伝統芸能や三線、空手、その他の様々な文化活動を通して次世代へと継承されている」(1)とあります。
今回は、大会に組み込まれたこれら沖縄文化について報告いたします。
開会式、閉会式では、それぞれ約1000名以上による三線の斉奏が行われ、海外からの参加者、他県の県人会、県内に住む外国人など多くの方が参加していました。流派による違いや各自の「くせ」を考慮し、「琉球古典音楽」の人間国宝である照喜名朝一氏監修の教則ビデオが制作され、インターネットで公開されました。
また、世界に5000万人以上の愛好者がいる空手の発祥の地、沖縄を「空手の聖地」としてアピールするイベントが行われました。「空手の日」(10月25日)にも程近い日曜日に、国内外の参加者により行われた一斉演武が、ギネス記録に認定されました。
伝統芸能の分野では、沖縄のお盆で踊られる「エイサー」の世界大会「Eisa EXPO2016」がも開催されました。県内の団体のほか、アメリカ、カナダ、インドネシア、ハワイ、ブラジル、熊本県、宮崎県の団体が演舞を披露しました。参加者はウチナーンチュ大会の閉会式でも演舞を行いました。
多様な地域の人々が一同に集い、同じ体験を行うイベントが多く開催され、地元新聞社の大会特集記事(2)からは、集いと体験が、国内外のウチナーンチュの「沖縄アイデンティティ」醸成に作用したことがうかがえます。
以上、「第6回世界のウチナーンチュ大会」の様子を御報告いたしました。公式サイト(http://wuf2016.com/jp/)で大会の様子が紹介されています。是非、一度ご覧ください。
(1)出典:「世界のウチナーンチュ大会」大会コンセプト
(2)沖縄タイムス特集記事
(儀間真勝)