アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

風信帖 各地の出来事から出版レビュー

TOP >>  風信帖
このページをシェア Twitter facebook
#22

世界のウチナーンチュ大会
― 沖縄県那覇市

沖縄県は人口当たり全国一海外移民を送り出している県で、その子孫が世界に40万人以上います
沖縄の言葉で「沖縄人」をあらわす「ウチナーンチュ」。5年に1度、世界中からウチナーンチュが沖縄に集うのが「世界のウチナーンチュ大会」です。
第6回の今年は海外から7000人以上の人々を迎え、10月27日から30日まで開催されました。
大会理念に「海外における沖縄アイデンティティーは、主に県人会などの伝統芸能や三線、空手、その他の様々な文化活動を通して次世代へと継承されている」(1)とあります。
今回は、大会に組み込まれたこれら沖縄文化について報告いたします。
開会式、閉会式では、それぞれ約1000名以上による三線の斉奏が行われ海外からの参加者、他県の県人会、県内に住む外国人など多くの方が参加していました。流派による違いや各自の「くせ」を考慮し、「琉球古典音楽」人間国宝である照喜名朝一氏監修の教則ビデオが制作され、インターネットで公開されました。
また、世界に5000万人以上の愛好者がいる空手の発祥の地、沖縄を「空手の聖地」としてアピールするイベントが行われました。「空手の日」(10月25日)にも程近い日曜日に、国内外の参加者により行われた一斉演武が、ギネス記録に認定されました。
伝統芸能の分野では、沖縄のお盆で踊られる「エイサー」の世界大会「Eisa EXPO2016」開催されました。県内の団体のほかアメリカ、カナダ、インドネシア、ハワイ、ブラジル、熊本県、宮崎県の団体が演舞を披露しました。参加者はウチナーンチュ大会の閉会式でも演舞を行いました。
多様な地域の人々が一同に集い、同じ体験を行うイベントが多く開催され地元新聞社の大会特集記事(2)からは、集いと体験が、国内外のウチナーンチュの「沖縄アイデンティティ」醸成に作用したことがうかがえます。
以上、「第6回世界のウチナーンチュ大会」の様子を御報告いたしました公式サイト(http://wuf2016.com/jp/)で大会の様子が紹介されています。是非、一度ご覧ください。

(1)出典:「世界のウチナーンチュ大会」大会コンセプト
(2)沖縄タイムス特集記事

(儀間勝)

大会主会場、沖縄セルラースタジアム那覇。

大会主会場、沖縄セルラースタジアム那覇。

大会ポスター(開会式会場レセプションにて)。

大会ポスター(開会式会場レセプションにて)。

開会式三線斉奏受付案内。

開会式三線斉奏受付案内。