福岡県内最大の農業地である筑後地方の素材を使ったクラフトジンの企画・販売を手がけるBottled Local(ボトルドローカル)。代表の髙橋米彦さんがクラフトジンを通じて表現したいのは、単なる地域の特産品ではない「地域で挑戦する人の想いや営み」です。

Bottled Local(ボトルドローカル)代表の髙橋米彦さん
髙橋さんはもともと家業のレジャーや不動産業に携わる中、企業という組織や肩書の中では「顔の見える距離感での深いコミュニケーションや地域との繋がり」を築くことに限界を感じていました。ある時、長崎県の五島つばき蒸留所のクラフトジンに出会い、「明確な定義がなく、ジュニパーベリーを使用、アルコール度数、自然由来の主原料などのルールさえ守れば表現が極めて自由」というクラフトジンの懐の深さに魅了されます。そこに、久留米市で放置竹林の活用に挑む事業者との出会いが重なりました。使い道に頭を悩ませていた「竹」という素材を前に、「素材そのもの以上に、その背後にある人の想いや熱意こそが地域資源」と強く確信した髙橋さんは、個人として起業。唯一無二のローカルを表現するクラフトジン作りが動き始めました。

その後、2024年8月にBottled Localとして初めての商品「Bamboo Gin」を発売し、今年の夏に、久留米市内に蒸留所をオープン。
髙橋さんにとって、クラフトジンは地域で挑戦する人のストーリーを外の世界へ伝えるためのメディアであり、人と人とを繋ぎ直す架け橋となっています。
「自分の足元にある大切なものを自分たちの言葉でしっかりと発信し、地元の人たちに知ってもらい、誇りに思ってもらいたい」と髙橋さんは力を込めて語ります。まずは筑後地方での地盤を固めながら、今後は各地で地域と真っ直ぐ向き合う生産者たちの想いをジンを通じて形にし、伴走サポートしていく展望を描いているとのこと。
顔の見える関係性を何よりも大切にする髙橋さんの挑戦は、これからも単なる商品開発の枠を超え、地域の未来へと続く確かな繋がりを生み出していくのだと感じました。

左から:八女市の自然に育まれた八女杉を使用した「Cedar Gin」、久留米絣の重要な原料である藍を使用した「Indigo Gin」、久留米市の放置竹林の一部を使用した「Bamboo Gin」
取材協力
Bottled Local 代表 髙橋米彦さん
Bottled Local
Instagram: @bottled_local
(月田尚子)


