真夏日、猛暑日も珍しくなくなった夏休みに、「暑さを回避しながらも夏を感じたい」と向かったのが兵庫県淡路島です。兵庫県と徳島県を結ぶように位置し、瀬戸内海、大阪湾、和歌山湾に囲まれている淡路島には、兵庫側に明石海峡大橋、徳島側に大鳴門橋(おおなるときょう)が架かり、国道28号線が縦断しています。からりと乾いた風が心地よく、30度越えの気温でも、過ごしやすく感じます。
淡路島の夕陽は、NPO「日本列島夕陽と朝日の郷づくり協会」によって選定された「日本の夕陽百選」にも入っています。北部西海岸のドライビングコース・サンセットライン沿いには多くの飲食店が並び、ゆっくりと夕陽の移ろいを味わうことができます。
今回、夕陽を見るために立ち寄ったレストラン「青海波 青の舎」は、とても印象的なお店でした。まず建物とレイアウトに特徴があります。海に向かって正面がガラス張りになっており、階段状に配置されたカウンター席は、どの席からでも景色を楽しむことができます。そして1階はオープンキッチンになっており、客席から見下ろすと、料理人が手際よく寿司を握ったり、天婦羅を揚げたりしている様子を観ることができます。
更に、入口から客席に向かうまでは美術館のようです。カウンターの前面に、島の景色、野菜などを題材とした鮮やかな色彩の絵画が飾られているのです。お店の方に伺ったところ、グループ会社に障がい者の雇用創造を目的とした「アート村」という活動があり、アーティスト社員が描いた絵を展示しているとのことでした。作品は多数に及ぶため時期によって展示替えもあるそうです。
日も落ちた帰り際、外からガラス越しに店内を見ると、階段、絵画、そしてお客さんが一体となって、一つのアートのような存在感を放っていました。
(海老原仁美)