愛知県豊川市には、日本の自然と歴史を一度に楽しめる公園があります。それが「三河(みかわ)臨海緑地日本列島公園」と「三河国分尼寺跡(みかわこくぶんにじあと)史跡公園」です。この2つの公園は車で約15分程度の距離にあり、1日で巡ることができます。
三河臨海緑地日本列島公園は、三河湾に面した三河臨海緑地の一部として整備された公園です。日本列島をデフォルメにより再現した庭園は、約5ヘクタールの広さがあり、北海道から沖縄までの47都道府県を、各県の地形や植生、名所や特産物などを模して作られています。九州と本州を結ぶ「関門橋」をデザインした門を入り、石や植栽で作られた県のモチーフをこれは何県なのか? と見当しながら歩くのも楽しい時間です。各県の特徴を学びつつ、ミニ富士山や各県に作られた勾配を語らいながら日本列島を一周することで、各地の風土を疑似体験することもできるでしょう。
三河国分尼寺跡史跡公園は奈良時代に聖武天皇の勅願によって建立された「三河国分尼寺」の跡地にあり、古代の仏教建築とその大きさを味わうことができます。三河国分尼寺は、全国にあった国分寺(仏教による国家鎮護のため、聖武天皇が日本の各国に建立を命じた寺院)のうち、女性の僧侶が住んでいた国分尼寺の一つでした。発掘調査に基づいて、三河国分尼寺の本堂や塔、回廊などの建物の柱石の遺構の真上に、中門や回廊の一部が奈良時代の建築様式を再現しながら実物大復元されています。すぐ近くには三河国分寺の発掘を行っている史跡もあります。これらの史跡から出土した瓦や土器などは、併設された「三河天平の里資料館」で見ることができます。日本の歴史として学ぶだけでなく、古代の人々の信仰や暮らしに思いを馳せることもできるでしょう。
日本を味わう公園として、日本列島公園と三河国分尼寺跡史跡公園の2つの魅力的な公園をぜひ一度訪れ、日本を再度学ぶ日をつくってみませんか?
参考
豊川市「三河臨海緑地」、
https://www.city.toyokawa.lg.jp/saijibunka/matsurikanko/toyokawashizen/mikawarinkairyokuchi.html(2024年6月24日閲覧)
豊川市「よみがえる天平の遺産 三河国分尼寺跡史跡公園」、
https://www.city.toyokawa.lg.jp/saijibunka/bunka/bunkazai/mikawakokubukoen/yomigaerutenpyo.html(2024年6月18日閲覧)。
(青山信子)