名鉄の尾張瀬戸駅から瀬戸川に沿って東に20分ほど進むと、通りは、焼道具(やきどうぐ)
本が好きという一人の女性が地域の方々の応援を得て、2021年5月に立ち上げたお店です。
店主の田中綾さんは、本と人、コトと人、モノと人、そして人と人をつなぐ、本を介した橋渡しの場をつくりたいという想いを、クラウドファンディングサイトで語っています。
100年を超える古民家をリフォームしたという店内には、絵本、文芸書、アート、建築と3000冊ほどの本が、新刊と古本を取り混ぜてジャンルごとに並べられています。田中さんご自身が一冊一冊丁寧に選び、時には常連のお客さんの顔を思い浮かべながら選ぶのだそうです。
店内には、ユニークなコーナーがありました。「ないしょ文庫」と名付けられています。
そこには田中さんが選んだ本が丁寧に包装され、タイトルや表紙は隠されて並べられています。お客さんは、田中さんが本に添えたキーワードだけを頼りに本を選ぶのです。
田中さんは、選んだ本にきちんと目を通し、キーワードを拾うのだそうです。価格はどの本も550円で、その準備にかかる手間を考えれば、とても利益が得られる仕事ではなく、「本が好きでなければできませんね」とおっしゃる田中さんは笑顔でした。
きっと、この本屋を訪ねてくるお客さんは、欲しい本を探しに来るわけじゃなく、大型チェーンの書店や都心の大規模書店では見つからない「本との出逢い」を求めて訪れるのでしょう。
お店の2階では、春から、ワークショップや企画イヴェントが開けるスペースの準備が始まっていました。その名前は、「ふたしずく」にするのだそうです。
もうすぐ3年目を迎える「ひとしずく」には新しい世界が広がる予感です。
取材協力:本・ひとしずく 田中 綾さん
本・ひとしずく Instagram
https://www.instagram.com/hitoshizuku_books/?hl=ja
本・ひとしずく Facebook
https://www.facebook.com/hitoshizukubooks/
参考
窯垣の小径 Aichi Now
https://www.aichi-now.jp/spots/detail/104/
窯垣の小径 まっぷる
https://www.mapple.net/spot/23001121/
(若尾憲治)