NPO法人SOMAの取り組みを伝える全4回の3回目となる。
「人が育つ環境をととのえる」から、人も含めた「生き物が育つ環境をととのえる」へ。瀬戸昌宣(まさのり)さんが主宰するSOMAは、その活動を自然とのつながりの方向に拡げてきた。現在は「山結び」という活動に全力で取り組んでいる。拠点を置く福岡県福津市で、まちのシンボルでもある宮地山の生態系の再生を、子どもや大人とともに進めていこうという試みだ。前号では山結びに同行して、地道な環境改善の成果を目の当たりにした。固くなっていた土はふかふかに変化し、水の通り道もできていた。山に起こったささやかな変化は、それを体感するわたしたちにも、すこやかさをもたらしてくれるようだった。
人と山、人と人、山と山。それらを多様に結びながら、遠い先を見据えて環境の改善を行うとは、どういうことか。報告会「山結びフォーラム」を通して、そのありかたと意義を発展的に考えてみたい。