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アネモメトリ -風の手帖-

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遠藤周作(1923‐1996)

遠藤周作原作、マーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙―サイレンス―』が公開されました。原作は1966年に刊行されたもので、江戸初期のキリシタン弾圧をその悲惨さとともに描いています。
遠藤周作は東京に生まれ、父親の仕事の都合で幼少期を満州で過ごしました。小学校高学年のときに帰国、神戸市で暮らし、中学生のときに洗礼を受けカトリックに入信しています。キリスト教と信仰はかれのなかで大きなテーマであり続け、『沈黙』をはじめ、『女の一生』や『海と毒薬』、『イエスの生涯』など、多くの作品を生みだす源となりました。
-長崎市 遠藤周作文学館
http://www.city.nagasaki.lg.jp/endou/
『沈黙』の舞台である長崎には、遠藤周作文学館があります。書斎の再現や草稿、写真などを展示した常設展のほか、二年ごとにテーマを変えて企画展も開催されています。現在の企画展は「刊行から50年――遠藤周作『沈黙』と長崎」です。ウェブサイトでは、小説の舞台となった場所を地図上に表示した「遠藤文学散歩」がたいへん興味深いです。

-遠藤周作学会
http://endo-shusaku.com/
2006年に発足した遠藤周作学会は、研究者同士の交流や一般へ向けた講演会などを開催することを目的とした会です。ウェブサイト上での論文の公開などはまだ進んでいないようですが、遠藤周作にかんする近年の研究を網羅した「参考文献」のページや、かれの作品を読み解くためのキーワードを集め、解説した「用語集」は見ごたえがあります。