四方を山に囲まれた盆地気候のために、と~っても暑い奈良の夏で大人気となっているのが「かき氷」。最近では、昔ながらの喫茶店や甘味処だけでなく、タイ料理のお店やケーキ屋さんでも、様々な特色あるかき氷を楽しむことができます。
そんな奈良と氷の関係が、実は奈良時代にまで遡れることを皆さんはご存知でしたか?
奈良国立博物館のすぐ北側にある氷室神社は、平城京に都を移した710年に元明天皇の詔により春日山ふもとの春日野に氷室と氷池が置かれ、その守り神を祀ったことに由来しているそうです。遷都と同時に氷の神様をお祀りするほど、氷がとても大切なものとして扱われていたことが伺えます。1300年前の人達にとっても奈良の夏はやっぱり暑かった、ということなのかもしれません……。
そんな風に奈良時代に想いを馳せながらかき氷を楽しむことができるおススメのお店が、近鉄奈良駅近くにある『奈良の雑貨とカフェBAR ことのまあかり』さんです。
メニューにある「削氷」(けずりひ……呼び名にもこだわりがあります!)の名前を見ると、「大海人」「長屋王」「橘三千代」「氷高」「蘇我入鹿」などなど、奈良好きの人にはたまらないラインナップとなっています。その中でも一番人気の「大海人」は、吉野の葛餅と練乳、きなこ、黒蜜がふわふわの氷とともに優しく口の中でほどけていく逸品です。さらにその美味しさだけでなく、大海人皇子と吉野との関係から、いにしえに想いを馳せることができる遊び心あふれたネーミングも削氷の大切な魅力になっているように感じます。その他のメニューも、旬の果物や県内の名産品を使用されていて、素材の美味しさを引き出すことを第一に考えられているこだわりの削氷ばかりです。
「次は誰にしようかな?」とひと夏に何度も訪れたくなること請け合いです。
奈良好きの人同士が集まって、奈良についておしゃべりできる場所を作りたい、との思いからお店を始められた『ことのまあかり』さんならではの、いにしえへの想いが氷とともにふんわりと盛られた削氷を皆さんもぜひ味わいに来てください。
(中井健二)
奈良の雑貨とカフェBAR ことのまあかり
http://kotonomaakari.furukoto.org/
奈良県奈良市小西町2・2F