富山県射水市下地区(旧下村)は、田園の向こうに立山が連なって見える、のどかな景色の広がる地域です。今回おじゃました、その名も「ご近所アート」は、この地域に住む11人のご近所顔なじみのみなさんが手作りされた作品の展示と販売のイベントです。毎年11月初めに行われるこのイベントは、2012年から始まり、今年で第8回を迎えました。会場は、真言宗福王寺と、その門前通りのメンバー宅2軒の3ヵ所。私もご近所さん気取りで訪問させていただきました。
もともとは趣味の手芸だったそうです。気の合う仲間が集まって作っていたものが溜まっていき、それを見た人からほしいと言われたことがきっかけで「ご近所アート」は始まりました。今年のテーマは来年の干支の「ねずみ」。会場では和小物や人形、ガラス細工など、いろいろなねずみが迎えてくれました。約400点の展示販売ですが、毎年その制作数は増えていっているそうです。大変ではないですか、と問うと、みなさんそろって「楽しいです」と答えられました。「毎年来てくれる人がいてうれしい」「自分なりにアレンジしたり、お客さんからアイデアをもらったりしている」「おしゃべりできるし、人の輪もどんどん広がる」と、本当に楽しそうにされていました。
中心会場となっている福王寺についてご紹介します。福王寺は、約1100年前に弘法大師空海が開いたお寺です。富山県指定文化財の仏像が3体あり、そのうちの1体、阿弥陀如来像は来迎形の坐像で、県内では珍しいそうです。また、今年には、三種の神器の仏教画の掛軸や神仏混交思想に関する古文書が発見されるなど、貴重な史料も多く所蔵されています。「ご近所アート」の訪問と一緒にお参りしてきました。
さて現在、「ご近所アート」で出会ったねずみが1匹、我が家の玄関を飾ってくれています。来年も「ご近所アート」のみなさんとの再会、かわいい作品との出会いを期待して、私もリピーターになることが決定しました。
取材に応じてくださった福王寺の尾山さん、竹内さん、黒川さんはじめ「ご近所アート」のみなさま、ありがとうございました。
(加藤明子)