2019年3月10日、JR尾道駅新駅舎が開業しました。デザインはアトリエ・ワンが監修し、鉄骨2階建て延べ2150平方メートル、瓦葺き風で軒の深い屋根には旧駅舎にはなかった無料の2階眺望デッキが備えられ、尾道水道の眺めを駅にいながら満喫できるようになりました。
ガラス面が多く、洗練された印象の新駅舎。表玄関である南側改札口周辺には、豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の車両色を思わせる緑色のロッカールーム、尾道や近隣のお土産が揃うショップ、カフェが併設されたレンタサイクルやコンビニエンスストアなどが新設されました。瑞風の停車駅として、観光の起点として、そして通勤通学など地域に住む人々にとっての利便性が向上しました。駅舎の2階へ続く階段は地元商店街によるディスプレイコーナーになっており、QRコードで町の詳しい情報にアクセスできるようになっています。
そしてこの新駅舎最大の目玉は、2階にオープンした宿泊施設です。m³ HOSTEL(エムスリーホステル)という名称は、縦・横・高さを表現しており、最大約6mの天井の縦空間を活かした客室が特徴のホテルです。ほぼ垂直に設置されたはしごが上下のベッドをつなぎ、まるでアスレチックの箱に眠るような遊び感覚に溢れた形です。尾道水道が見える南側の客室窓からの風景。ホームで電車を待つ人が見える北側のランドリー室からの風景。客室内の随所に配された、鉄道の赤錆や造船所の鉄の色を思わせる赤茶色のキーカラー。ホテル内の意匠と、窓の外に見える線路の錆色や景色が連動しており、それらが港町の駅にいることを感じさせてくれます。客室は3タイプあり、いずれの部屋にもテレビはなく、シャワー、トイレ、洗面は男女別の共用になっています。一番お手頃なコンパートメントルームの場合、4名で1室12000円(価格は変動)から。一般的ホテルとは一味違う旅を望む人やサイクリストにおすすめです。
m³ HOSTEL
https://m3hostel.com/