東京駅から特急で1時間半、水戸駅から更に海沿いに向かった場所に、国営ひたち海浜公園があります。「爽やかな潮風吹き抜ける花と緑いっぱいの都市公園」と謳い、春はネモフィラの水色の絨毯、秋はコキアの赤い絨毯が名物となっています。ここでは毎年夏に野外コンサート(夏フェス)が開催されています。今年は7月15日から17日の3日間で、総勢106組のアーティストが熱演し、4万2000人の来場者で賑わいました。
実は、ここではコロナ前まで、日本4大夏フェスの一つである「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(ロッキン)」が開催されていました。2022年にロッキンが千葉県に移転することが決まったことを受け、地元のラジオ局である茨城放送が主催となり、新しい夏フェス「LuckyFes」が誕生したのです。LuckyFesは「音楽と食とアートの祭典」をテーマに開催されています(註1)。大規模な夏フェスにはロックなど一つのジャンルに特化したものが多い中、LuckyFesは音楽のジャンルがクロスオーバーされ、初心者も、年代を問わず参加しやすいのが特徴です。
筆者自身も今年、人生初の夏フェスを体験しました。懐かしい曲にじーんと心を揺さぶられ、子どもと一緒にリズムに乗り、簡単な振り付けで会場が一体となる感覚を味わいました。日常から開放された空間で心躍る時間を満喫することができました。
加えて、今回、特に印象的だったのは、3日間とも最後のステージの後に、花火が打ち上げられたことです。地元の野村花火(註2)の作品が夜空を飾りました。一発目には歓声があがり、最後にはステージにも負けない盛大な拍手が起こっていました。
音楽に力をもらい、人が集う楽しさを再認識した3日間。このLuckyが続き、来夏もこの時間が訪れますように。
(註1)
LuckyFes
https://luckyfes.com/lucky-fes
(註2)
野村花火工業株式会社
https://nomurahanabi.jp/
(海老原仁美)