街中のリビング、南池袋公園 | アネモメトリ -風の手帖- | アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

南池袋公園は、池袋駅東口から徒歩５分程で到着できる非常にアクセスの良い場所にあります。大きなビルが立ち並び、車が次々と行き交う都会的な雰囲気の中に、突如緑豊かな芝生が目に入るので、驚く人が多いと思います。
広々とした芝生では、寝転んでリラックスしている人、家族でランチを楽しんでいる人など思い思いに過ごしており、子供用の大きな遊具やカフェも併設されているので、一日中居ても飽きることの無い、人々の憩いの場となっています。
この南池袋公園は、2016年に区画整備を経て今の姿となっていますが、リニューアル前は様々な問題があったそうです。
今では多くの人に利用されるこの公園も、リニューアル前の治安はけっしてよくありませんでした。さらに区内の公園管理費が高くなっていたこと、池袋駅東口周辺に路上駐輪が多いことも、豊島区の抱える大きな課題でした（1）。
そこで、豊島区は本来の公園の姿を取り戻すために立ち上がり、リビングのように居心地の良い空間へとリニューアルを行ったのです。それによって現在の南池袋公園は、「街中のリビング」として地域に定着しており、屋外なのにどこかホッとするような、あたたかい空間で溢れています。
また、南池袋公園やグリーン大通りを中心に隔週で「マルシェ」が開催されていたりと、イベントも盛んです。特に、「まちなかリビングのある日常」をコンセプトに毎年秋ごろに開催されている「IKEBUKURO LIVING LOOP」というイベントは、沢山の人で賑わいます。
私も2019年から毎年参加しており、公園でクラフトビールを楽しんだり、手作りのアクセサリーやお菓子を選んでいるうちに、あっという間に時間が過ぎています。
この公園やイベントを訪れるたびに、池袋という街全体が、人々が集う「リビング」として根付いてきているなと感じます。
居心地の良い空間というのは、誰しもが必要としている空間です。
忙しい日々を少し忘れて、南池袋公園の柔らかな緑の芝生でゆっくり時間を過ごしてみてはいかがでしょう。

（髙倉彩乃）

参考
南池袋公園×グリーン大通り
https://ikebukuropark.com/mip-greenblvd/

IKEBUKURO LIVING LOOP
https://ikebukuropark.com/livingloop/

（１）
都心に現れた、まちのリビング　南池袋公園 | 公共R不動産
https://www.realpublicestate.jp/post/minamiikebukuro-park/