前号では、「21世紀型の公民館」を目指し、利用者やアーティストたちとさまざまに取り組むなかから運営方法を模索する京都のSocial Kitchenの活動を見てきた。今号では、アーティスト・茂木綾子さんが淡路島で活動拠点とするノマド村を取り上げる。
ノマド村は、淡路島の北部、長澤にある廃校を改装したコミュニティ・スペースだ。特徴的なのは、ここを運営するアーティストの茂木綾子さん、ヴェルナー・ペンツェルさん家族の住まいであり、制作の場でもあること。地域の活性化を試み、新たな観光地としても機能するとともに、国内外からの注目を集める、未来型の生活スタイルを模索し、提案し続けている。
スイスから移り住んだ茂木さん家族の軌跡を辿りつつ、ある土地に移り住み、よりよい生活、よりよい地域のありかたを求めることの困難さと光を見ていきたい。
風信帖