前稿では、新潟を拠点に、つくり手(地場産業や伝統工芸の職人)や売り手(小売店)と独自の関わり方を構築しながらものづくりを行う「エフスタイル」の活動を、エフスタイルの星野若菜さんと五十嵐恵美さんの視点から紹介した。
本稿では、その視点をつくり手・売り手側に移し、彼らがエフスタイルと出会うまでにどのような問題点を抱え、彼女たちとのものづくりにどのように取り組み、そこを出発点にどのような「循環」へと結びつけているのかを追ってみたい。
今回は、エフスタイルとともにものづくりを続ける山形と新潟の3つの地場産業の会社、そして京都の小売店1軒を訪ねる。
1)受け継がれる「HOUSE doggy mat」 山形・穂積繊維工業1
2)「美しい絨毯」から「心地いい絨毯」へ 山形・穂積繊維工業2
3)「壁もの」と呼ばれて 新潟・くつ下工房1
4)父母の介護から生まれたゴムなし靴下 新潟・くつ下工房2
5)「亀田縞」のルーツは野良着 新潟・立川織物1
6)立川織物の亀田縞、エフスタイルの亀田縞 新潟・立川織物2
7)エフスタイルとの「ちょっと緊張する関係」 京都・kit1
8)「本当に要るもの」を売りたい、伝えたい 京都・kit2
9)個々が「完結」したとき、「循環」が始まる