千年近く続く、土のものづくりをどのように継承し、現代に生かしていくのか。
常滑焼の産地である愛知県常滑市(以下、常滑)で起こっていることを、これまでの経緯もふまえて探る3回シリーズの2回目となる。
常滑焼の千年近い年月においては、さまざまな焼きものが興隆し、抜きん出た作り手も登場してきた。それらは大小の点となり、常滑焼の歴史はかたちづくられている。そこに今、どのような点が打たれようとしているのか。
常滑に移住してきたデザイナー・高橋孝治さんは、デザインの視点から、常滑焼の新しいありかたに関わっている。常滑の土という「素材」を通して、風土とものづくりを深く理解し、体感しながら、高橋さんは焼きものの未来をどのように描こうとしているのだろうか。
今回は陶芸家、窯元、問屋と、常滑の土を生み直す仕事を、高橋さんとのかかわりとともに見ていきたい。ちなみに、いずれも代表者の姓が鯉江だが、血縁はない。常滑地域に多い姓のひとつである。
風信帖