埼玉県には漫画やアニメの舞台となった場所が多くあります。
今年に入って話題になっている『翔んで埼玉』という映画は、当時埼玉県在住だった魔夜峰央(まやみねお)が、30年ほど前に描いた同名の漫画を原作としています。
題名のとおり、県の鳥「しらこばと」を始め、「深谷ネギ」「草加せんべい」など県の特産品や県内各地の地名がふんだんに盛り込まれており、過激な内容に反して郷土愛を感じさせる映画です。
他にも、春日部市を舞台にした『クレヨンしんちゃん』、所沢市の『となりのトトロ』、久喜市などの『らき☆すた』、秩父市の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』などがあり、ご存知の方も多いことと思います。
以前、埼玉県には、宿泊するほどの観光地らしい観光地はありませんでしたが、アニメの舞台として脚光を浴びるようになってからは、県内各地が「アニメの聖地」と言われて多くのファンが訪れるようになりました。
漫画やアニメによって、観光地ではなかった場所が観光地となることに着目した埼玉県は、2013年から「アニメ・マンガまつりin埼玉(アニ玉祭)」というイベントを開催するようになり、海外や全国からのアニメファンを呼び込んでいます。
その他漫画に関するものとしては、旧大宮市に居を構えて明治から昭和初期に活躍した、日本近代風刺漫画の祖である北沢楽天(きたざわらくてん)にちなんだ「さいたま市立漫画会館」があります。市では毎年、「北沢楽天漫画大賞」というコンテストや「国際漫画フェスティバル」などが開催されています。
また、さいたま市を舞台とした漫画も多く、元々サッカーが盛んな土地であったことから、『赤き血のイレブン』や『キャプテン翼』などサッカーを題材としたマンガも多く描かれています。
このように埼玉県には漫画やアニメの舞台となっている場所が多いばかりでなく、漫画家自身の出身地や住居地も多いことから、漫画・アニメとの関わりがとても深い所なのです。
(小野行幸)