長野市で行われるイルミネーションイベントにあわせて、光を使った作品制作・展示を行いました。「長野デザインウィーク~善光寺表参道イルミネーション~」は、長野駅前から善光寺までの約1.8kmを光の装飾や展示、食や音楽のイベントなどで彩る、2018年冬のイベントです。この中で、私が勤務する大学の学生とともに、光を使ったインスタレーション(空間設置芸術)の制作・展示を行いました。昭和36年に和紙問屋として創業した老舗のインテリア・画材商社である、越前屋さんが運営するギャラリー「echizen GALO(エチゼン・ガロ)」が会場です。以前からつながりがあったギャラリーのかたと、いつかコラボレーション企画でなにかおもしろいことしたいですね、と話していたものが実現しました。
展示について打ち合わせしていた際に、「うちの倉庫に長いこと使っていない画材があるのですが、なにかで活用できないですかね?」という話があがり、倉庫内を見せてもらいました。この中にノベルティグッズとして配布していた、パッケージもレトロでかわいいマッチが、大量にストックされていました。禁煙の広がりや、家事でも直接マッチで火をつけることが少なくなり、配布する機会が減っているそうです。
これを作品に活用できないか検討した結果、マッチの軸で三角錐を制作しそれを現場で構成し、影も含めて作品にすることにしました。マッチはそもそも火をつける道具なので、炎=光を生み出す元ネタです。光のインスタレーションにふさわしいと考え、眠っていた素材の活用に取り組みました。この他に、アクリルと電飾を使った立体作品の制作、また会期中にパフォーマンスとして蓄光素材を使った光を「配給」するプロジェクトも行います。作品制作や展示を通して、学芸員課程やアートマネジメント実践における、実際の現場における学びとして機能させています。
長野デザインウィーク~善光寺表参道イルミネーション~
・まち中の装飾:2018/11/24(土)~12/25(火)17時~20時
・善光寺の装飾:2018/12/15(土)~12/25(火)17時~20時
https://www.nagano-cvb.or.jp/designweek/
echizen GALO
http://www.echizen.co.jp/galo/
(山貝征典)
アクリルの筒とワイヤーライトを使った作品《8-3-5》
展示作業の様子
長い間使われていなかったマッチを活用した作品《12-643》