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アネモメトリ -風の手帖-

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#98

子どもも大人もミカンセイ。野良の感性を伸ばす「ミカンセイ教室」
― 秋田県五城目町

今回は、主宰するギャラリーものかたり(秋田県五城目町)が近隣の「ただのあそび場 ゴジョーメ」と始めた親子向けアート教室、「未感性(ミカンセイ)教室」をご紹介します。
ただのあそび場は、昨年11月に町の遊休不動産をリノベーションして誕生した、大人も子どもも遊びに没頭できるあそび場。その名の通り、誰もが無料(タダ)で遊びに来れて、豪華な遊具や設備によって遊び方が決まっているわけではないただの場所。遊び方を指示されずとも人間は遊び=ワクワクして没頭するような体験を自ら探求していくはず、という運営者の思いが込められています。

ただのあそび場についてはこちらからhttp://tadanoasobiba.jp

ただのあそび場 イメージ:ただのあそび場についてはこちらから http://tadanoasobiba.jp

「遊び人」たちはボルダリング壁を登りあそび場にたどり着く

ただのあそび場 内観:「遊び人」たちはボルダリング壁を登りあそび場にたどり着く

オープンして間も無く1年、ただのあそび場は放課後または五城目朝市の時に子どもたちが訪れ(来襲し?)、遊び倒す場所としてすっかり定着しました。平日夕方には、遊びと学びを融合した子ども向け探求ラボ、大人向け英語塾がすでに開かれており、そこに先月から上記「ミカンセイ教室」が合流したというわけです。
「ミカンセイ教室」はコドモもオトナ(親)も、センセイまでも、感性が未完成な人=ミカンセイジンとして対等に悩み、教える/教わる、つくる/見守る関係を取り払って表現に没頭できる場です。作品は、もちろん準備された道具で制作するのではなく、町にある資源、五城目町であれば自然もフル活用して、道具や展覧会までもイチからつくり、1点の作品を1年間かけて完成させます。遊びと学びと創造が混ざり合った環境から野良の感性がメキメキ育つことを期待して、1年目は絵画制作に取り組みます。

ミカンセイ教室 ちゃぶ台キャンバス:ちゃぶ台をキャンバスに見立て、様々な画材を試して描いてみる

ミカンセイ教室 ちゃぶ台キャンバス:ちゃぶ台をキャンバスに見立て、様々な画材を試して描いてみる

ミカンセイ教室 制作の様子:町の公園から草木や葉っぱ、木の実などを採取してオリジナルの絵筆、絵具を開発。授業のレポートはFacebook「ただのあそび場」ページ参照

ミカンセイ教室 制作の様子:町の公園から草木や葉っぱ、木の実などを採取してオリジナルの絵筆、絵具を開発。授業のレポートはfacebook「ただのあそび場」ページ参照

美術館や専門教育機関がアートを教えるでもない、「在る」場所から「無い」場所にアートを提供する=アウトリーチでもない、縮小する地域につくる新しいふつうの芸術環境をコツコツ拡げるべく、チャレンジは続きます。

(小熊隆博)

ただのあそび場 ゴジョーメ
Web:http://tadanoasobiba.jp/
facebook:https://www.facebook.com/TadanoAsobibaProject/

ものかたり
Web:http://www.mono-katari.jp/
facebook:https://www.facebook.com/mitihiraki/