生まれ育った高知から京都へ高校卒業と同時に転居し、大学、社会人生活と20代のすべてを京都で過ごし、30歳を過ぎたころにたまたま友人の案内がてら高知に帰省したことをきっかけに本格的に高知へ戻ったのが4年前。
文化・四季・日本人として生きる楽しみを感じられる京都での生活は満ち足りていたはずなのに、外からの視点で見た高知がとても新鮮に感じました。降り注ぐ太陽の光、明るい笑顔の人々、雄大な自然、みずみずしい生命力に満ちた食材ー。おおげさなことを言えば、これから先、人として生きていくために必要なものがシンプルにここにある、と思いました。なかでも、高知にいたころは当たり前だと思っていた新鮮な食材には新たな感動があり、当たり前だと思って知ろうともしていなかったのだと気付かされました。縁あって、有機農業をしている「Iターン」移住者の人と結婚したことをきっかけに、食べ物を育てることは身近になり、その触れ方にも変化がありました。野菜はスーパーに並んでいるものから、月日をかけて育つものになりました。
自分の意識が変わると不思議なもので、同じように感じている人との出会いに恵まれます。同じころに大阪から移住してきた市吉さんも、高知の食の豊かさを伝えるため発信する会社をおこし、東京、大阪など首都圏を中心に高知の野菜をレストランや料理研究家の方につなぎながら、ご自身もジュースや加工品をつくり、イベントに出店し販売されています。
仲間が仲間を呼び、東京から料理研究家の方や写真家の方が移住してきたことでチームとなり、生産者である農家さんを中心に高知の野菜を広く発信していくプロジェクト、KOCHI GOOD FOODSが春頃からはじまろうとしています。
食べ物をつくる人がいて、その素材を活かして料理する人がいて、そして食べるひとがいる。食べ物はいろんな人につながり、その人の人生をつくる。
鰹ももちろん美味しいですが、ぜひ高知の他の食材にも目を向けてみてください。
KOCHI GOOD FOODS
http://www.kochigoodfoods.com/
(大賀美穂)