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アネモメトリ -風の手帖-

風信帖 各地の出来事から出版レビュー

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#203

スペリオル湖
― アメリカ合衆国 ミネソタ州 ダルース

北アメリカにある五大湖の中で最も大きい湖が「スペリオル湖」です。かつて社会科の授業で学んだ記憶が蘇ることでしょう。東西は563㎞、南北は258㎞まで広がり、最も深い場所は水深406ⅿに達します。カナダと米国両方に跨り、南の米国側はミネソタ州、ウィスコンシン州、ミシガン州に接しています。今回は、湖の西南にある街、ミネソタ州ダルースからのスペリオル湖の眺めをお届けします。

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湖とはいえ、淡水湖としては世界最大の面積をもつため、ダルース側からの水平線に陸地は見えません。北海道本島よりも大きいといえば想像はつきやすいでしょうか。カモメが飛び交い、まるで海のように感じられる大きな湖は、豊かな水を湛え、街の一部として認識されているように映ります。
ミネソタ州北部の冬は厳しく、ダルースでも外を歩くのが憚られるような気温になる日もあり、水辺はさらに寒さを感じます。冬の水面は凍結し、湖は冬眠状態と表現してよいかもしれません。趣あるホテルも多いこの街は、その寒い冬でもホリデーシーズンには賑わいを見せますが、多くの観光客が訪れる夏は、比べ物にならない活気に溢れます。夏の湖は穏やかで、天気がよい日の湖面はブルーに光り、その先には水と空だけの世界が遥か彼方まで果てしなく広がっています。日の出や日の入りの時間帯には、絵画のように完成された、雄大で豪華な眺めを楽しめる日も少なくありません。

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湖を進む大型船は、近郊で産出される鉄鉱石や穀物を、沿岸都市から都市へと運んでいくもので、埠頭に入る際には橋として使われるゲートが開きます。運が良ければ、そのゲートの開閉や、目の前を通り過ぎていく船を目にすることができるでしょう。船はかなりなスピードで、瞬く間に至近距離に迫ってくることに驚く人もいるのではないでしょうか。
湖の南側横に広がるダルースの街の反対側は斜面になっており、坂を登れば湖を一望することができます。そこからの遠景、坂の下の水辺寄りの近景など、湖の楽しみ方は様々で、一日見ていても飽きることはありません。まさにスペシャルな湖です。

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参考
Lake Superior-Britannica

https://www.britannica.com/place/Lake-Superior-lake-North-America

(福寿美佐)