アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

特集 地域や風土のすがたを見直す、芸術の最前線

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#160
2026.09

移住と仕事のいま2026
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3 「疎」の余白を生かす 地域のこれから 奈良県東吉野村
5)小さな集まりが重なり合う状態へ

時代の流れなどに左右されるのではなく、まず自分がどうしたいか。そこから始まるという想いの先に、坂本さんは地域のこれからを見ている。

坂本:移住者が増えて、ある程度の層になってきたとき、その先は、自分はレイヤー化していくべきだと思っていたんです。複数のコミュニティができて、重なるのが良くて。一つのコミュニティが大きくなるのじゃなく。移住者が増えてある程度の層になったら、別のコアができて、それによってまた別の集団が複数できたほうがいいんちゃうかなって思ってたんですよ。
ちっちゃいコミュニティがいっぱいあって、重なっていて、仲良くなったり、ときに喧嘩したりするのを繰り返すほうが健全なんやろうな、と。そうじゃないと続かないです。

小さなコミュニティがたくさんあること。それは自分が村の「顔」にならないことにもつながる。坂本さんは「東吉野と言えば坂本」とならないよう、その椅子に自分が座り続けることのないよう、意識もしてきた。
各地域で営みが立ち上がっていくことが大切で、「その土地に根付いて動くプレイヤーがいないと、ハードだけでは不十分だ」と坂本さんは考えている。

坂本:「そこにどんな人がいるか」が大事やから、人を育てることが大切ですよね。難しいことなんですけど。自己変容をどういう風に起こせるのかに尽きます。さっき「自己は最小単位の社会や」って話しましたけど、人が変わるっていうことは社会が変わるってことだと思うんですよ。だから、自己変容は最小単位の社会変革です。

坂本さんは、学生が本気で商売を学び実践する47都道府県地域産品セレクトショップ「アナザー・ジャパン」にエリアメンターとして参画したり、地域と人を生かす多様なデザインのあり方を学ぶ学校「LIVE DESIGN School」で講師を務めたりしている。

坂本:自分自身、いろいろな方にお世話になってきたんで、それをどうお返ししていけるんやろうって、意識はしてますね。

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アメリカから移住したアーティスト、ダグラス・ディアスさんのアトリエで