アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

特集 地域や風土のすがたを見直す、芸術の最前線

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#7
2013.07

市と、ひとと、まちと。

後編 各地に広がる、市の新しいありよう

6. ひととまちを豊かに、すこやかに

高知の話に立ち返ろう。
繰り返しになるが、高知は市のまちだ。日曜市と土曜のオーガニックマーケットを取りあげてきたが、規模もありかたもまったく違うふたつが毎週開催されるうえ、連日、ローカルな市も立つのだから。市は生活の一部であり、まちの風景ともなっている。

市のお話をしてくださった福田善乙さんは言う。「火曜、木曜、金曜、日曜、そして土曜日のオーガニックマーケット。それぞれの市が地域活性につながっているので、重要だというのが高知市の行政での位置づけです。オーガニックマーケットは産直、地産地消など、かなり厳密にやっておられますが、それも日曜市を参考にしているところがあると思いますね。そういう意味でも、日曜市はやはり高知の柱になっていると思います」
高知オーガニックマーケットが始まったことで、日曜市のありかたもいっそうはっきりしたのかもしれない。成り立ちも個性も違う市がともにあり、ひととまちを豊かに、すこやかにしている。話を聞きながらそう思う。「でも、ほっとしますよね。生きていくのにたくさんの選択肢があって、そこから選べるのですから。地元のひとも観光客も、自分に合った市を選んでいくのでしょうし、色々あっていいと思うんですよ」福田さんも微笑んでいる。
こうして市が機能しているまちは、漠然とした言い方だが、まちとして大丈夫だという気がする。