アートとともにひと、もの、風土の新しいかたちをさぐる

アネモメトリ -風の手帖-

特集 地域や風土のすがたを見直す、芸術の最前線

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2013.03

おもてなしの精神で広がるまち

後編 ビジネスとのつながりの先に見えた、まちの未来 徳島・神山
6)神山から始まる新しい取り組みとして

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神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスの内観。リユースの不揃いの家具も味が出ている。ストーブのための薪の束も美しい

神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスの内観。リユースの不揃いの家具も味が出ている。ストーブのための薪の束も美しい

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神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスの外観

神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスの外観

さて、前頁で書いた樋泉聡子さんが所属する、とくしまサテライトオフィスプロモーションチームとは、グリーンバレーではなく、県が取り仕切っているチーム。神山町が独自に開拓したサテライトオフィス誘致事業が県にも地方活性化の手段として認識され、それを大々的に広報活動をしていくということになって生まれた。サテライト誘致エリアとされているのは神山町をはじめ、海沿いの美波町、神山よりも山深い三好市の県下3ヵ所である。神山発、が県を動かした例となった。

そして、最新の話題としては、本稿の序文に書いた、神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスだ。この施設は利用している会社相互の新たな交流が生まれるようにつくられた。「成長するオフィス」をテーマに、最初はなるべくフラットにデザインされており、個室のオフィスはなく、大部屋がメインのフロア。そこから要望があれば、増築等対応していく予定だという。賃料を払って部屋を借りるというよりも、使い方によって料金が変わってくるというシステムだ。

2012年の春に空家町屋プロジェクトとして、県・町・グリ−ンバレーの三者協業という枠組みで費用を持ち、元繊維工場の改修を開始した。ブルーベアオフィスの改修も行った坂東幸輔さんが設計し、2013年1月23日、晴れてオープンした。什器や棚、机などはまちにあるものをリユース、薪ストーブといった自然エネルギーの利用が組み込まれている。

現在の契約状況は1社だが、長い目で少しずつ利用者数が増えていけばよいと考えているようだ。グリーンバレーの広報の樋泉さんは、「オープンしたての今の神山は視察が多い時期。多種多様なお客さんがさらに増えているので、刺激的だと思います」とのこと。地方で始まった新しい働き方に、興味を示す都市からの見学客が多い。異業種間のコラボレーションの発生する機会が増えるような、神山のハブ的存在として期待が高まっている。