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アネモメトリ -風の手帖-

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2012.12

「本」でつながる、広がる ひととまち

前編 東北の場合、仙台
6)本でつながるひと、つながりかた

では実際、B!B!Sでどんな方たちが、どんなふうにつながっているのか。
実行委員会の初期メンバーの何人かに話を伺ってみた。それぞれに個性豊かで、つながりかたもさまざまである。

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(左)佐藤さんの手書きPOP。いい味!(右)仙台在住作家につくってもらう、名物の本棚

7--IMG_70867-月刊佐藤純子
ジュンク堂仙台ロフト店の店員、佐藤純子さん。仙台や宮城の本や東北地方のリトルプレスをコーナーで置いたり、いがらしみきお、伊坂幸太郎など仙台在住の作家に頼んで本を選んでもらって、それぞれ「○○の本棚」として名物コーナーを作るなど、仙台をテーマに個性的な楽しい企画を展開している。

そしてもうひとつ、佐藤さんはエッセイ・マンガの作家としてもちょっとした有名人なのである。自作のフリーペーパー『月刊佐藤純子』は佐藤さんのキャラクターがぞんぶんに発揮された、和めてゆるくて、なんとも絶妙な味わい。口コミでじわじわと人気が広がって、熱心なファンも多い。そのフリーペーパーをまとめて世に出そうと、せんだいメディアテークの学芸員(小川直人さん)が動いて「仙台文庫」発行人の大泉さんに「別冊として出してもらえませんか」と声をかけた。ちなみに、小川さんも大泉さんもB!B!Sの実行委員だ。本を介してつながったひとたちから、また本が生まれてゆく。ちなみに、『月刊佐藤純子』はいまのところ、「仙台文庫」最大のヒットとなっている。

佐藤さんは仙台出身ではないが、自分の暮らすまちへの想いがある。「まちに愛されたい、って思うんです。だから、宮城や仙台の本がちょっとずつでも動くとうれしいですね。仙台でももっといろいろリトルプレスなんかも出てくるといいなと思ってます」。